拒否されて傷ついた時の応急処置はこれ


人から拒否されるって、ダメージ半端ない
人から受け入れてもらえないという体験は、誰にとっても辛く、しんどいことに違いありません。
- 好きな人に告白したら振られた。
- 仕事で会う人から無視されるようになった。
- 属しているコミュニティで仲間外れになった。
今回は、拒絶体験時の応急処置についてお伝えします。
特に今まで良好な関係だと思っていた人や好意を寄せていた人からの拒絶は、強いショックを受けますよね。
そういう時は一気に落ち込んでどうしてよいか分からなくなったり、ネガティブな感情の嵐に飲み込まれそうになったりして、健全な自分でいられなくなってしまうはずです。
そんな風に大きなショックを受けている時、私達はまずどうしたらいいのでしょう。
早めに安全な形で、回復していきたいのなら、基本姿勢は「自分に優しく!」です。
説明をしていきますね!
どうして人から拒否されるとこんなに傷つくの?
誰かから拒否されたとき、胸が締め付けられるように痛いと感じることがありませんか?
誰かに拒否されて傷ついた時、肉体的な痛みも強く感じる傾向があると言われています。
脳内では肉体的に苦痛を受けた時とまったく同じ部分が活性化されるそうなんです。
拒絶体験の痛みを肉体的な痛みにたとえると「麻酔を使わない分娩」や「がんの治療」に匹敵するというリサーチ結果も報告されているほどです。
長い人類の歴史の中で、拒絶されることは「死」に限りなく近づくことを意味していたので、痛みを使って警告を発することで自分を守ろうとしてきたのかもしれません。
社会的な動物である私達は、仲間から拒絶されると途端に生きにくくなるんです。
現代はひとりでも生きていける術はあるかもしれないけれど、昔は仲間から拒絶されることは、そのまま死を意味しました。
群れの助けなしには食べ物が手に入らない、危険から身を守れない、農業をやっていたら自分だけ田んぼの水が引かれない、など本当に死活問題になってしまっていたはずです。
その体験がどこかに染み付いているから、拒絶されると本能的に強い痛みを感じ、過剰なほどに反応してしまいがちです。
拒否された時、心の中に湧き上がってくる感情「怒りと自己否定」
誰かに拒否されたと思った時、心の中にどんな感情が湧きやすいでしょうか。
①怒り

個々のケースや人によりますが、一般的に怒りを感じやすいと言われています。
拒否された心の痛みと一緒に、怒りが押し寄せてきます。
自分を否定してきた人に怒りが湧くことはもちろん、関係ない人に八つ当たりしたくなったり、壁をたたきたくなったり。
皆さんも思い当たることはありませんか?
普段、温厚で穏やかな人でも攻撃性が高まっていくんです。
拒絶されたことをきっかけに暴力をふるうような事件は後を絶ちませんよね。
先日も、会社をクビになった従業員が切れて、職場に刃物をもって立てこもる、というような事件があったかと思います。
もちろん、拒絶されたからといってすぐに暴力や攻撃に出る人はほんの僅かで、大多数の人は怒りの衝動と折り合いをつけて乗り越えていきます。
ただ、行動には出さずとも、心の中では怒りや攻撃性が生まれていることはきっと多いはずです。
②自己否定

また、拒絶されて自尊心が傷つくと、心の中で自己否定の気持ちが出てくることが多いです。
- 自分が悪いんじゃないか。
- 自分にきっと原因があるんだ。
- みんなからきっと嫌われている。
- 自分が価値のない存在に思える。
そうやって自分を疑っていくと、自分のことを嫌いになっていきます。
自分のことを認められないということは、どこかで自分を拒絶しているということ。
人から拒絶されるよりも、自分自身から嫌われる方が行き場を失います。
自尊心が傷ついて、どんどん自信がなくなってしまうんです。

ストップ自己否定
もし今、起きた出来事を振り返り、自分に自信がなくなっているという状態だったら、この悪循環をとりあえずストップしましょう。
自分を責めて自分嫌いになって、自分で傷口を広げる必要は1ミリもありません。
まず、こういう時に向きあう時のスタンスは「自分に優しく」です。
ダメな部分も全部ひっくるめて、自分にOKを出してあげて欲しいのです。
初動では反省しなくていい
拒絶体験をしたときは、ただでさえ反省モードになりやすいのです。
自分の振る舞いを見直すことは、自己成長になるし、よい関係性を作っていくことに繋がるから、反省のプロセスもすごく大事。
でも反省は第二フェースでいいのではないかと私は思います。
まだショック状態で心の痛みが強い時は、反省しすぎると余計に辛くなるので逆効果になるんです。
傷ついた直後は、自分に甘いくらいでいいのです。
ケガをして血が出ていたら、すぐに応急処置しますよね。
原因を突き止めて再発防止策を考えるなんていうのは後回しで、まずは止血しないといけない。
それと一緒です。
目には見えていないけれど、今、血が出ているのと同じくらい痛いはずだから。

自分に優しくってどうすればいい?
「自分に優しくっていうけど、いったいどうすれば?」
そう聞かれることはとても多いです。
傷ついている自分をまるごと受け止めてあげるということなんですが、ピンと来ないという人は、自分を別の人格か愛を感じられる何かにすり替えてみましょう。
たとえばかわいい我が子や、大好きなペットや、大切にしている存在に見立ててみる。
その大切な存在が、生傷を受けて痛くて泣いているとしたら、無条件に優しい言葉をかけてあげたくなりませんか?
「わぁ、痛かったね。辛いね」と痛みに共感して、苦しみに寄り添ってあげたくなりますよね。
その感覚で、自分自身にもただ共感の言葉をかけてあげてください。
傷ついている自分に対して
「痛いね」「辛いね」「悲しいね」「悔しいね」
一番今の感情にフィットする言葉をかけてあげてください。
誰よりもその痛みを理解してあげられるのは、誰でもない自分自身です。

自己否定的な考えが止まらない時は?
自分に落ち度があるからこういうことが起きるんだ。
否定されたのは自分が魅力がないからなんだ。
そんな風に自分を責める声が聞こえてきたら、それをいったん「ストップ!!!」と叫んでみてください。
そして、自己否定的な考え方に対して、無理やりでもいいので反論してみてください。
自分の何が悪かったんだろうか?と考えはじめたら
・お互いの価値観の違いなんじゃないだろうか。
・相手が自分に対して羨みとか引け目を感じているんじゃないか。
・相手が、そもそも性格的な問題を抱えているのではないだろうか。
・タイミングが悪かっただけかもしれない
・相手がストレスを抱えていて精神的に不安定なんじゃないか
などなど、自己否定ではない別の視点も取り入れるようにしましょう。
自己否定のループから抜け出すには、自分からストップをかけて、別の思考フレームを用意してあげる必要があります。
そもそも、自分が思っているより人から見られていない
拒絶を個人攻撃のように感じて、悪い方に考えが止まらなくなることありますよね。
でも、自分が思っているより、人ってそんなにこちらを見てないんですよ。
それぞれ自分の事で精一杯だから、そんなに人の欠点に目を向けたり、とがめる気持ちを持たないものです。
反対に、欠点ばかりに目を向けて攻撃してくる人だとしたら、そんな人間性を持つ人と付き合う必要もないと割り切れます。
冷たい態度や言葉を向けられたと思っても、それは相手に別の事情があったのかもしれないし、相手は全然そんなつもりはなくて誤解だったということもありますよね。
自分が思っているほど、相手は自分に関心を持ってないことがほとんどです。
「こう思われているに違いない」
~かもしれない、~に違いないという言葉が出てくる時、これは自分の中から生まれた思い込みの言葉なんだ、と気づいてください。

浮上していくためにこれもやろう
さらに、自信を注入していきたいので、自分のいいところを思い出してください。
自分の長所、好きなところを書き出してみましょう。
落ち込んでいる時って自分の魅力を忘れてしまっているんです。
だから、自分の輝きの方に意識を向けます。
- 周囲の人から言われて嬉しかった言葉
- 自分がひっそりいいなと思っている身体のパーツ
- ちょっと自信のあるところ
- 健気に頑張ってきた努力のプロセス
- 誰も知らないかもしれないけれど、過去に貢献してきたこと
どんどん出してみましょう。
思うだけでもいいですが、書き出した方が効果がありますよ。

まとめ
- 拒絶される経験は、肉体的にも痛みを感じると言われているほどダメージがくるもの。
凹んで当然だという認識でいましょう。 - そんな時にどうしたらいいのかというと、まずは自己受容、自分に優しくしてください。
- 傷ついてショック状態が続いている時は、自分に甘すぎるくらいでちょうどよいんですよ。
- 最初から反省して自分にダメ出しばかりしていると、傷口が広がってしまいます。
- 自分は嫌われているに違いないと思い込んでいるとより一層脅威が広がります。
- 相手は自分が感じているほど、こちらを悪く思っていないことがほとんどです。
- 思い込みが自分を縛り付け、苦しくさせていることがあります。そこから開放されましょう。
- 自分の素晴らしさを思い出すことも大事です。
- あなたは唯一無二の存在です。
早く抜け出したいと思われると思うのですが、焦らないでいきましょう。
癒しはスモールステップで進むほうが確実です。
もし、セルフでは難しい、自己否定のループから抜け出せないと思われたら、セラピーやカウンセリングをお勧めします。
私で良かったら、ご相談くださいね。
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