あなゆき
こんにちは、あなゆきです。新型コロナウイルスの感染防止のために、毎日せっせと自粛活動に勤しんでいる皆さん、ありがとうございます!
そんな中で聞こえてくるのは、「なんだかイラっとすることが増えた」「人の悪い部分ばかりに目が行くようになった」という声です。
今日は、人の嫌なところばかりに意識が向いてしまってイライラしてしまう時、心の中がどんな状態なのか考えてみたいと思います。
人の行動を見てイライラすることが多くなったという声
最近、人の行動を見てイライラすることが増えたと感じる人は少なくないようです。
例えばスーパーに買い物に行った時に、周囲の人の良からぬ行動が気になってしまう時ありませんか?
- あの人、マスクもせずにめっちゃ咳込んでるよ。咳が出てるのにスーパーに来ないで欲しい!
- 知り合いの人に会ったからって、店内で立ちすくんで長々とおしゃべりし続けるのは良くないと思う。
- 食品をべたべた触ったあとに棚に戻すとか、ほんとやめてほしい!
- 家族総出でスーパーにきてレジに行列作ってる。あのね、ここはレジャー施設じゃない。
(感染防止の観点からすると)けしからん行動をしている人もいますよね。
こういう人を見てイラっとしませんか?
でも、その人に注意する勇気も出ず、せいぜいジトっと睨みをきかせて「自分で気が付いてくれ!」と心の中で懇願するしかない。
いろんな人の嫌な行動が目についてイライラするけど、その感情の行き場もないわけです。
そんな毎日ではストレスが溜まってしまいますよね。
人の嫌なところが目についてイラつく時って、どういう状態の時?
人の嫌なところばかりが気になる時の心理状態を分析してみたいと思います。
結論からいうと、サバイバルモードのスイッチが入っている状態になっているために、周囲に嫌悪感を抱きやすくなっているのかもしれません。
サバイバルモード=生命の危機から生き延びようとする意識が強くなっている時には、自分をどうしたら守り抜けるかを考えますし、生き延びるための正義を追求します。
①「自分のことを守り切れるだろうか」という不安
②「正しくあるべき、ルールは守るべき」という正義感
このふたつの思考が高まれば高まるほど、イライラを感じやすくなります。
といわれてもなんのこっちゃ? だと思いますので、ここから詳しく解説します。
自分のことを守り切れるだろうか
感染はどんどん広がっている。
ウイルスがどこにあるか分からない。
いつまでこのパンデミック状態が続くのか分からない。
そんな不安な状況が続いているので、平常時に比べて健康や安全が守られていないと感じているはずです。
不安や恐怖が強くなることにより、サバイバルモードにスイッチが入っている状態になっているんですね。
無意識に起こっているので自分では気が付いていない人がほとんどですが、危険をみつけるほうに意識がいきやすいはずです。
そもそも人間はGoodNewsよりBadNewsにフォーカスしがちですし、マスコミも一般的にそういう報道スタイルをとっていますよね。
感染者や死亡者の数は強調するけれど、それに比べて回復者の数はそれほど報じられません。
そんなマスコミの影響も少なからずあると思いますが、脳はリスク情報にどんどんフォーカスしていきます。
そうなっていくと、とにかく自分を守らなければ、大切な人を守らなければ、と自己防衛反応がとても強くなります。
そもそも私たちが大前提に持っているミッション、それは「ひとつの生命体として生き延びていくこと」です。
人生はこの広い社会に対してちっぽけな私がどうやって生き延びていくかというサバイバルゲームだと捉えれば、危機を対処しようとすることは自分を守るためにとても大切なことです。
サバイバルモードでいる時は、危機察知能力を最大限に使って自分を守り抜こう!と必死になっていくのです。
自分に影響が及びそうなリスク、危険を見逃さないようにネガティブな情報を収集し、察知した危険は、感情にのせて知らせます。
誰かを見てイラっとする感情は、自分を守りたいがための危険信号なんです。
危機感を感じれば、その場から逃げるとか戦うとか何かしら対処ができます。
脳はイライラを感じさせることで、危険への対処を行わせようとしているんですね。
正しさがソリューションになる
さらにサバイバルモードの時は、「正しさ」を追求したくなるんです。
一日も早く終息させ、平常時の安心な領域に戻るためには正しい行動をするべきだ、という思考ですね。
正しさが自分を支えてくれるように感じると、「社会のために正しい人でありたい」「ルールを守って良い人でいたい」という思いが強くなります。
この正しくありたいという思いがモチベーションになり、不快なことであっても頑張り続けられるんです。
- 遊びに行きたいなーと思っても家から一歩も出ずに過ごしている。
- 本当は仕事をストップしたくないけど、社会のために自粛している。
- 実家に帰りたいけど、我慢している。
このようにやりたいことを諦めたり我慢したりしながら、努力できるのは自分の中に正義があるからです。
この状況が続いている時、周囲にも「正しさ」を求めたくなります。
周りの人にも同じように正しく行動してほしい、と期待します。
なのに、ちゃんとしてくれない人が目の前にいたら、どうでしょう。
- 自分は頑張っているのに、頑張っていない人がいる。
- 自分は正しいことをしているのに、裏切るやつがいる。
- 自分は歩み寄っているのに、我儘放題の人がいる。
期待が裏切られてがっかりするし、間違ってる相手を裁きたくなるんです。
正しい人であるべきという強い思いが、他者にも向けられて裁きの感情になっているのかもしれません。
人を裁きたくなった時には、よく自分の心をみつめてあげてください。
心の声に耳を傾けてみると、こんな言葉が浮かんでくるかもしれません。
「本当は行動を制御されたくないよ」
「思うように動きたいよ」
自分が自覚している以上にストレスが溜まっていて、解放されたくて仕方がないのかもしれません。
抑圧している気持ちは、外の世界に投影されます。
解放されたくてうずうずしている気持ちを抑圧している時、自由にしている人が現れたらイラっとするはずです。
だから誰かにイライラするときは、それだけ自分に余裕がない状態だということ。
自分を律しすぎるあまりにストレスが高まっているサインかもしれません。
まとめ
- 人を見てイライラしがちな心の状態を整理すると、サバイバルモードになっており、自己防衛意識が高まっている時だと言えます。
自分を守りたいがために、リスクの方にフォーカスしやすくなっています。 - また、危機を乗り越えようとするときに、人は正解が欲しいので「正しさ」を求めやすくなります。
「正しいか」「間違っているか」の2軸でジャッジしやすく、自分も正しくありたいし、人にも正しさを求める傾向になります。 - 「間違っている」とみなした相手には、攻撃的な意識が生まれやすくなります。
- 正しくあるべきという思いが強すぎると、心に余裕を欠き、健全度が下がりやすくなります。べき思考が強くなっているなと感じたら、心を緩めていくといいですね。
- イライラしちゃうのも仕方がないかもしれません。でもこういう心のしくみを知っているかどうかで、少し楽になる部分があるのではないかと思います。
この新型コロナの問題は長期戦です。
長距離マラソンを息切れせずに走りぬけるような余裕を作っておいた方が絶対いい、と私は思います。
最後に、なかなかいいと思った名言をご紹介しますね。
誰かを裁きたくなったら、黙って自分に言い聞かせましょう。
あの人はあれでもベストを尽くしているのだと。
それから、そんな自分を許しなさい。
マーシャ・シネター(アメリカの女性自己実現コンサルタント)