運動がもたらす効果については、世界中で研究が進んでいて、身体の健康維持やダイエットだけでなく、心や脳に良い影響を与えることが解明されてきています。
今日は、運動した方がいいのは分かっているけど、なかなか始められない人へ、運動のもたらす効果と、長年の運動嫌いを克服できた私の実体験を語ってみたいと思います。
きっと、これを読んだら動きたくなっちゃうはず!?
運動がもたらす心や脳への効果とは
運動した後に、気分がすっきりしたり前向きな気持ちになったという経験はありませんか?
厚生労働省のメンタルヘルスサイトでも、運動には、ネガティブな気分を発散させたり、こころと体をリラックスさせ、睡眠リズムを整える作用があると明言されています。
運動と心や脳との関係に関してさまざまな研究が行われており、一定の運動を継続的に行うことによってこのような効果が認められています。
- 不安が減り、幸福感が上がる
- 集中力が増す
- 不安障害やうつ病の予防や症状の緩和
- ストレスに強くなる
- 認知能力が上がる
運動を体重のコントロールやメタボ解消のためにしている人も多いと思いますが、それは副次効果に過ぎず、むしろ、脳や心へ与える効果こそが運動のもたらす真の威力なのかもしれません。
運動がうつにも効く?
2003年のコロンビア大学の研究では、運動量とうつのなりやすさを調べたところ反比例の関係があるとしています。
定期的に運動をしている人の方が、うつ病の罹患率が低いということですね。
ノルウエーでは、うつ病の患者に治療方法として、抗うつ剤か毎日の運動、どちらかを選ばせているという病院もあり、運動によって薬を使うのと同じように改善の効果が出ていることが分かっています。
フィンランドでの調査では、週に2、3回運動している人は、運動をほとんどしていない人に比べて、うつ、怒り、ストレス、ネガティブなものの見方が極めて少ないことを突き止めました。
運動習慣が過度なストレスホルモンの分泌を抑え、エンドルフィンやドーパミンの分泌が高まりますので、それによって気持ちが前向きになり、幸福感が高まったり、自己肯定感が上がります。
運動によって血流量が増え、脳の活動に充分な酸素が供給されるため、脳が活性化し、パフォーマンス向上に繋がり、仕事の能率が上がったり、生産性が高まることも期待できます。
動き続けるように人間の身体は出来ている
今の私たちの身体を支配している遺伝子は10万年以上前に進化したものだそうで、そのころ人類は絶えず動き続けていたそうです。
生き抜くために、食べ物を探し回ったり、獲物を追って狩りをしていたからです。
現代ではそんなことをする必要がなくなっていますが、遺伝子には狩猟採集の行動様式がしっかり組み込まれていて、脳がそれを司るようになっています。
私たちは、運動することで身体と脳をベストの状態に保つようにできているんですね。
あまりにも動かない生活を続けていると生物学的なバランスを崩してしまうんです。
運動と脳や心の関係について知りたい人へお勧めの本
本記事は、こちらの書籍を参考にして書いています。
どれも読みやすく、面白いのでお勧めです。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由
運動している人ってどのくらいいる?
運動がもたらす効果については、いろいろな情報が流れているので、多くの人が理解していると思います。
そうは言ってもですよ……。
今までの人生で身体を動かすことをあまりしてこなかった人からしたら、ハードルが高いですよね。
分かっちゃいるけど、なかなか習慣化できないという人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省 平成29年国民健康・栄養調査報告を見てみても、運動習慣のある人の方が少ないです。
運動習慣のある者の割合 女性[20歳以上](%, 2017)
1週間に2回以上の頻度で、かつ30分以上の運動を1年以上続けている女性は、
- 30代で14.3%
- 40代で16.1%
- 50代で23.9%
です。
どの年代も過半数以上の女性が運動しない派ですね。
しかし、年齢が高くなるにつれ、運動習慣を持つ人が多くなるのは意外でした。
子育て、仕事に忙しい30代~40代はなかなか自分の時間が持てないのもあるでしょうし、
年齢が進むと、身体にガタがきて、否が応でも身体のメンテナンスに意識が向くのでしょうか。
自分でも不思議だけど、運動しない人からする人に変身!
私がまさに、「妙齢から運動を始めた人」です。
今はほぼ毎朝、ストレッチかヨガで身体を目覚めさせ、週に3回は、1~2時間、ダンスと筋トレをしています。
それまで、身体を動かすことは苦手、学生時代もずっと文化部か帰宅部。
運動といえば、「体育で強制的にやるもの」という認識でした。
でも、きちんと運動をはじめて4年ほどになりますが、一度、習慣化してしまえば、やらない方が気持ち悪いのです。
なにより、ご機嫌な時間が増えたと感じています。
運動した後は、気分が良く、頭がすっきりしています。
余計な考え事が減り、仕事への能率もアップするのを実感しています。
このように今では運動は生活の一部で当たり前になっていますが、ついこの間まで運動嫌いだったので、「わかっちゃいるけど、運動は続かないんだよ」という人の気持ちもよく分かります。
ジムに行ったり着替えたりするのもめんどくさいし、辛いし、時間もとられるし……って思いますよね?
私もずっとそう思っていました。
運動習慣を作るための秘策
身体にいいから、じゃなくて、心が満たされる分野を見つける
では、どうしたら運動を自分の人生に取り入れていくことができるのでしょうか?
そう考えると、とにかく運動の中でも「好きな分野を見つける」
これに尽きるのではないかと思っています。
苦手なことや嫌いなことはなかなか続けられません。
「身体にいいからやる」と義務感で始めても苦痛が伴うので、「この運動をすると心が満たされる」そう思えるものを見つけてください。
私も、有酸素運動が身体にいいのだと勧められ、ジムに入会してランニングを始めましたが、残念ながら、ハマるというところまではいきませんでした。
今日は20分走ろう!と目標を立てて、お気に入りの音楽をセットして、張り切ってマシンに乗って、走り始めるんですが、ものの数分で飽きるんです。
時計との睨めっこが始まり、あと15分、あと13分、あと10分……そうやって修行感を感じながら、自分に鞭を入れ続ける。
続けていればランニングハイがやってきて、たまらなくなるよー! とランナーの友人は言うけれど、私にはその領域まで辿り着けない……。
確かに、走り終わった後の爽快感や達成感は多少あるけれど、楽しいとまでは思えず。
やっぱり私は運動するようにできていないのだ、と諦めかけていた時に、たまたま、チャレンジしてみたのが、ストリート系のダンスクラスでした。
ダンスも有酸素運動ですよね。
20分ひとりで走るより45分のダンスの方が短く感じるし、断然楽しい!(あくまでも私は、です。ランで高揚感を得られる人もたくさんいますね。)
音楽と動きを同調させるということ自体が楽しいのですが、芸術的な要素にハマっていくんですよね。
ダンスは身体表現のアートだと思います。
(フィットネスクラブであれば、エクササイズ要素が高くなりますが、ダンサーの先生であれば、アート要素が強くなりますね)
先生の美しい動き、表現の引き出しの多さに「すごーい!」と感動しながら、どうやったら自分らしく、かっこよく出来るんだろうと考える。
こういう身体の使い方をするから視覚的にトリッキーに見えるのか、とか、失恋して落ち込んでいる気持ちをこういう動作で表現するのか、手の角度ひとつで、こんなにダサくなるのか、とか。
鑑賞するだけだったら気が付かないけど、実際に自分もやってみるからこそ、いろんなことが見えてくる。
自分なりの解明が知的好奇心も満たしてくれるのです。
こんな風にのめり込めるものが見つかったら、自然と身体を動かさずにはいられなくなります。
憧れの人を見つける
どんなことでもそうですが、出会いが扉を開いてくれるきっかけになることってありますよね。
今まで自分の知らなかった世界を見せてくれる人。
「こうなりたいな」と目標値を具体的にみせてくれる人。
運動習慣を持つ時にも、メンター的な存在が助けになってくれます。
やる気を引き出してくれたり、一歩先の未来を見せてくれる人がそばにいてくれると、モチベーションが落ちても、また頑張ろうって思えるんです。
定期的に運動し続けるってそれなりの自制心とか規律心が必要です。
効果や成果をしっかり感じられるまでには時間もかかるし、やっていることは地味なことの繰り返しだったりします。
孤独に取り組むより、仲間がいた方がいいし、さらにメンター的に導いてくれる人がいたら最高。
目標を持つ
せっかく運動を取り入れるのなら、目標も持った方がいいです。
ただ漫然と取り組むよりは、ゴール意識を持っていた方が上達も早いし、モチベーションが続くからです。
私は、「3か月で1曲まるまる踊れるようになる」という明確なゴールがあるプログラムに参加しているのですが、4分程度の楽曲をフルマスターして踊れるようになると、立派な達成感があるんですよね。
誰に見せるわけでもないし、ステージに立つわけでもないのに。笑
自分のベストを出した! って思えることだけで喜びになります。
中高年になると、なかなか自分の成長を感じられることって少なくなりますよね。
老化を食い止めるのに精いっぱいで、自分にまだ伸びしろがあるってなかなか思えない。
そんな中、自分の成長や変化を可視化できるのが、運動なんです。
トレーニングを重ねると、確実に筋肉量が増えたり、可動域が広がったり、ボディラインも変わる。
できなかったことができるようになるのは、自信に繋がります。
目標はどんなことでもいいと思います。
自己成長や変化を実感するために、なんらかのゴール設定をして始めましょう。
オンラインフィットネスがすごい進化を遂げている
コロナ禍でオンラインフィットネスが拡大していますね。
私もオンラインでヨガやダンスを楽しんでいますが、なにより時間が効率的に使えるのがいいんですよね。
10分前までオンラインレッスンを受けて、そのまま仕事を開始するなんてことが日常になりました。
家にいながら隙間時間でこなせますから、忙しいから運動できない、というのが言い訳にできなくなってきました。笑
ジムやスタジオに行くのはハードルが高い、人目を気にしながら運動するのは嫌、という人にとっても、いい時代になってきましたよ。
オンラインで受けられるフィットネスやダンスのクラスをご紹介します。
Torciaトルチャ
本格的で多彩なジャンルのレッスンが自宅で受けられます!
ティップネスが始めた本格的なオンラインフィットネス。
月約600本のレッスンは、ヨガ、ピラティス、筋トレ、ZUMBA、ダンス、格闘技系などバリエーション豊かで、気軽にいろいろなジャンルにトライできます。
ティップネスに所属する3000人から選抜されたインストラクターが担当するので、レッスンの品質は高いです。
私も利用していますが、こんなところが良いと思っています。
- 1レッスン30分と気軽に参加できる
- 強度も軽めで初心者から楽しめるものが多い
- 畳一畳分のスペースがあれば大丈夫なように設計されている
- 専用の配信システムを利用しているので、画像がキレイ
- アーカイブに残るから、好きな時に好きなレッスンを選んで出来る
個人的にお気に入りのレッスンは……
●本場インド人のタルン先生のヨーガ
ヨガではなく、ヨーガ、というところが本場感出てます。
タルン先生のヨガは、マントラを唱えたり、気のボールを作り第三の目に取り入れるワークをしたりするので、フィットネスクラブが提供するレッスンとしては異彩を放っています。
ヨガ哲学を垣間見れる中でも、解剖学的な説明もちゃんとしてくれるので、私にはちょうどいいバランス。
海外旅行に行って、現地の日本語が上手な先生のレッスンを受けているような気分になれるのも、旅が出来ない今はありがたいです。
●オンライン限定 ユニバーサルミュージックワールドダンス(UMWD)
ユニバーサルミュージックに所属するアーティストのヒット曲で1曲をマスターするレッスンです。
2020年8月から10月の楽曲は、「TIP TOE」/ imagine dragons
振付師は、DREAMS COME TRUEのパフォーマー集団S+AKSのメイン・コレオグラファー、パフォーマーSHIGEさんです。
SHIGEさんが自ら踊る参考動画あり!
「TIP TOE」/ imagine dragons (block 1)
https://youtu.be/pC9ZhIJosyo
これを踊るわけですねー!
なかなかのチャレンジですが、曲も振付もかっこいいです。
指導は大蔵みどり先生とYUCCO先生。
それぞれのダンススタイルが楽しめるのも魅力。
お二人とも教え方も分かりやすいし、楽しく進めてくれる素晴らしい先生方です。
現在、スタートキャンペーンで1ヵ月無料で100レッスンまで利用できます。
無料会員になっておくだけでも、無料公開されているレッスンのアーカイブが視聴できるのでお得です。
その他にも気になるオンラインフィットネスをご紹介しますね。
最初に質問に答えて、課題に合わせてレッスンプログラムが提案されるようです。
ボディメイク、ダイエットを目的に行いたい人には良いかもですね。
トレーナーAYAと#おうち時間!HOME WORKOUTトレーニング
トレーナーAYAさんのレッスンが受けられるサービスです。
SOELU(ソエル)
ヨガのオンラインレッスンサービス。
1日に100件以上のレッスンがありながら、価格は低コスト。
現在、月額980円でサービスが利用できます。
まとめ
今回は、運動習慣がもたらしてくれる脳と心への恩恵についてお伝えしました。
どんなに効果があると説明されても、気持ちが沈んでいて無気力な状態の時は特に行動に移せないものです。
だからこそ、最初の一歩が尊いのです。
「始めたからには続けなくては」などと思わず、とりあえずお試ししながら、自分にとって、取り組みやすいもの、気持ちが上がる運動を探してみてくださいね。
きっとハマれるものが見つかれば、運動は苦痛からJOYに変わります。
運動習慣を持つと、自分の中で何かが変わるはずです。
ボディラインそのものかもしれないし、時間の使い方かもしれないし、人間関係の変化かもしれません。
なにより気分が変わると思うので、新しい自分に会えることを楽しみに一歩を踏み出してみてくださいね。