あなゆき
もうすぐ母の日。どんなプレゼントにしようかと悩んでいませんか?
今年はリアル店舗に買い物に行くことも難しくなっているので、プレゼント選びに苦慮している人も多いんじゃないかと思います。
私はモノではなく日帰り旅行や食事などコト消費のプレゼントをすることも好きなのですが、今年は無理ですしね。
実家の両親とは離れて住んでおり、今は気軽に会いにも行けません。
両親はすっかり家に籠っている様子なので、老化が進んじゃうんじゃないか、ボケちゃうんじゃないかと心配にもなっています。
そこで、今年の母の日は「脳を元気にする」をテーマにプレゼントを選んでみました!
「ブレインヘルス」を意識したプレゼント選び
ブレインヘルスとは、脳を最大限に活用して機能の衰えを軽減し、健康な状態を保つことです。
加齢とともに、身体だけではなく、脳も老化していきます。
個人差は大きいですが、脳の神経細胞の減少、脳の血流の低下といった老化現象によって、認知機能に衰えが生まれると考えられていますが、一方で加齢による脳の衰えを減らすにはどうしたら良いかという研究もどんどん進んでいます。
ちょっとした対策を日常生活に取り入れると、脳が活性化するそうなんですよ。
私は今回、母に脳を元気にするプレゼントとして「懐かしさを感じるもの」を贈ることにしました。
なぜかというと、次の実験データを知ったからです。
よぼよぼのお年寄りが若返った!「心の時計の針を巻き戻す実験」とは
ハーバード大学の研究者 エレン・ランガー氏が行った「心の時計の針を巻き戻す実験」というものです。
どんな実験かといいますと、高齢者の人達にまるで過去に戻ったかのような体験をしてもらった際に起きる心身の変化を調べたものです。
この実験によると、懐かしさを感じてもらうことにより、見た目も能力も若返る効果があったということなんです。
具体的な実験内容
実験の内容を具体的に説明します。
1979年、ある修道院に70代後半から80代前半の男性たちに集まってもらい、5日間をともに過ごしてもらいました。
修道院の中では、20年前に流行っていたもので埋め尽くされています。
- 1950年代のヒット曲が流れていて
- テレビは白黒画面で当時のバスケットやフットボールの試合を中継していて
- 当時流行っていた雑誌がたくさん読める
こんな風に青年時代に親しんでいたものが揃っている環境下において、5日間過ごしていくとどうなるか。
なんと驚くべきほどの変化が起きたそうです。
高齢で足を引きずり、視力も聴覚も衰え、認知力も低下していた彼らが、たった5日間のタイムスリップ合宿で見違えるほど若々しく変化したというのです。
実験終了後、年齢相応のよぼよぼだったおじいさん達が、見るからにしゃんとして、若々しさを取り戻していました。
帰宅のバスを待っている間に、数人はタッチフットボールをはじめたそうです。
その若々しさは、見かけだけでなく、実際のデータでも確認されました。
- IQテストと記憶力テストのポイントがアップした
- 握力が強くなった
- 物を器用に扱えるようになった
- 動きがスムーズになった
- 聴力が向上した
- 視力の向上した
まさか聴力や視力まで良くなったというのはちょっと信じられないですよね。
ノスタルジアを感じるのは実は脳にいいらしい
過去の出来事を思い出して「あぁ懐かしいなぁ、あの頃は幸せだったなぁ」なんて感傷に浸ることって誰でもありますよね。
脳科学の研究では、ノスタルジア(郷愁)を感じることは脳の健康に良い事が分かってきたそうです。
ノスタルジアは脳の中ではいろいろ変化を起こします。
- 社会的つながりを感じやすくなる
自分がなんらかの集団に属していて、他のメンバーから受け入れられている、という気持ちが高まります。 - 幸福感が増す
幸福感の中でもエウダイモニックと言われる、「人生の目的と意味を深く感じることからくる幸福」を感じやすくなるそうです。この種類の幸福感は気分障害になりにくいと言われています。 - 幸せな記憶ほどよく思い出す
苦い記憶と繋がる可能性もありますが、懐かしい感覚を拾っていこうとするとき、脳は幸せな記憶を優先して呼び戻すことが研究で分かっているそうです。
思い出を懐かしむと、脳の記憶システムが活性化し、脳内ホルモン ドーパミンが分泌されます。
ドーパミンは、快感や多幸感を得る・意欲を作ったり感じたりする・運動調節に関連するなどの機能を担っています。
冒頭でお伝えした「心の時計の針を巻き戻す実験」で、高齢者たちが若々しくなり、視力や聴力、運動能力まで変化があったのはドーパミンの分泌が盛んになったということが考えられます。
高齢者の脳は総じてドーパミンが足りないと言われているので、「思い出を懐かしむ」行為によって、自然にドーパミンが出るのは朗報ですよね!
母の日は、懐かしいものを。
そこで、今年の母の日は、両親にとって懐かしいと感じられる音楽を贈ることにしました。
選んだのはこちらです。
青春歌年鑑 60年代ベスト
1960年代のヒット曲が満載。
両親にとっては10代後半から20代に流行っていた曲でしょうからたぶん、結婚前後の思い出が張り付いているはず。
昭和の大ヒット100
NHKが行なった、「昭和の歌・心に残るベスト100」に選ばれた64曲が含まれているCD
由紀さおり・安田祥子 童謡ベスト
幼稚園教諭だった母は童謡好き。
一緒に由紀さおりさんと安田祥子さんのコンサートにも行ったこともあったので、
その思い出も思い出してくれるかもしれません。
元気出るマーチ・ベスト
これは父向けですが。
アメリカのマーチ曲が好きなんです。
星条旗よ永遠なれとかワシントンポストとか。
聞いていると元気が出るそうです。
一度に送ってもつまらないので、あえて5日に1度くらいの頻度で届くように注文しました。
すでにこれらのCDは届いているのですが、両親は楽しく聞いてくれているようで、母から興奮気味に電話がかかってきました。
「懐かしいわ。みんな口ずさめる。思えばこの頃が人生の一番良い時だったわね、とお父さんと言い合っていたのよ」とまさにノスタルジアに浸っていました。
ダウンロードではなく、あえてCDにしました
両親はスマホも持っていますから、音源をダウンロードして聞く方法やYouTubeで検索する方法なども教えたことがありす。
でも、そのような新しい音源の取り方というのは、ハードルが高いみたいで結局そこまで使いこなせないんですよね。
また老眼が進んでいるので、スマホの細かい操作もめんどくさいようです。
やはり、プロダクトアウトではなくて、マーケットインの発想にしないとダメですね。
デバイスも昭和にしてノスタルジアを呼び起こそうと思い、CDラジカセで聴いてもらっています。
Amazonやヨドバシカメラのサイトを覗いたら、いろいろな種類のCDラジカセが販売されていました。
こういうの、まだ売ってるんですね。
ちゃんとニーズがあるということが今回わかりました。
「CDラジカセにCDを入れて、再生ボタンを押す」
この行為なら、両親も迷わず、おっくがらずに操作できるわけです。
すごく当たり前ですけど、お年寄りにはお年寄りの様式に合わせてあげないとですね。
置き配が設定できますよ!
すでに利用されている方も多いと思いますが、Amazonでは置き配指定ができます。
「置き配指定」は、在宅・不在にかかわらず、ご指定いただいた場所に商品が届けられるサービスです。
こちらを利用して、玄関や宅配ボックスなどに入れてもらうようにしてギフトを送れば、感染防止対策にもなります!
私も置き配にしてお願いしたら、ポストに届けられていたそうです。
まとめ
- 母の日のプレゼントについてお悩みの方へ、懐かしい音楽を届けることを提案しました。
- 懐かしさ=郷愁(ノスタルジア)を感じることは、脳内ホルモンのドーパミンが出て、脳を元気にする効果があります。
ドーパミンが分泌されると幸せな感覚、やる気が出るだけでなく、運動機能にも良い影響をもたらす可能性があります。
特にシニアになるとドーパミンが不足しがちなので、ノスタルジア効果は有益です。 - 懐かしさを引き起こすのに、音楽は手軽で効果が高いと考えられています。
若かった頃に流行っていた音楽を聴くことで、その当時の記憶も瑞々しく蘇らせてくれるかもしれません。
そういう懐かしい記憶を呼び戻す時というのは、苦い記憶よりも楽しかった幸せな記憶の方を優先して思い出すそうです。 - 自分が人生の中でもっとも活躍していた、輝いていた頃の曲は、気持ちをあげてくれることでしょう。