こんにちは!
あなゆきです。
今は、感染症のことで世界中の人々がストレスを感じやすくなっていると思います。
感染の恐怖だけでなく、仕事が減少することによる経済的な不安、人との繋がりが絶たれる孤独感、さまざまなストレスが私達を取り囲んでいます。
今日は、不安や恐怖がどのように起こるのか、そのメカニズムと心理セラピーで得られる効果についてお伝えしていきます。
不安や恐怖はどこで作られる?
脳科学の発達により、不安や恐怖のメカニズムがだんだん明らかになってきました。
不安や恐怖の感情には、脳の中にある扁桃体が大きく関与しています。
外からの情報が入ってくると、まず視床が受け取り、扁桃体に入ります。
扁桃体は、ジャッジマン。
危険かどうかを判断する役割を持っています。
危険と判断すると、不安や恐怖といったネガティブな感情を起こします。
感情によって、私達に危険を教えてくれているのですね。
同時に、自律神経系を介して、身体にも反応が現れます。
動悸、過呼吸、ふるえ、発汗などの身体症状だったり、
その場から逃げようとする逃避衝動だったり、
身体がうまく動かなくなるフリーズ症状などです。
そういった身体の症状が、再び、外からの情報として視床に送られると、扁桃体はまた受け取るので、不安のループになっていってしまうんです。
扁桃体は、火災報知器のようなもの
扁桃体は、数億年前の魚類も持っていた最も原始的な脳の部分ですので、動物的な本能の役割を担っています。
要は「死なないためのサバイバル」をやっているんですね。
外部の脅威から自分の身を守ろうとする防御本能で仕事を果たしていきます。
「危険かどうか?」を判断し、危険な場合には感情でメッセージを送るという役割です。
イメージとしては、火災報知器のようなものです。
火事の可能性があるとアラームが鳴るように、危険を察知するとネガティブな感情をアラームにして報知してくれるわけです。
ちなみに扁桃体は仕事がめちゃくちゃ素早いのですが、どのくらいで危険かを決めると思います?
なんとですね、0.1秒程度だそうです。
映像を見てから、たったの0.1秒で「やべっ! 危険だ」と判断できるってすごいですよね。
ただ、精度は決して良くない。
生存することを最優先にしているから、精度なんて求めてないわけです。
誤報だったとしても、助からないよりいいじゃないか。
とにかく怪しきものが来たら、知らせるから。よろしく!
by 扁桃体
というスタンスです。
不安や恐怖は、大事な仲間
不安や恐怖は、できるなら感じたくないかもしれませんが、これらのネガティブな感情があるから、私達人類は生き延びてこられた、といってもいいのではないでしょうか。
不安や恐怖を感じなかったら、危険が迫っていることに気が付けずに、無防備な行動で命を落としてしまうかもしれません。
未来を予期して対処できる、その背景には、不安や恐怖を感じられる能力が活躍してくれているのです。
だから、不安や恐怖は私達の仲間です。
ただ、扁桃体が暴走し、過剰に不安や恐怖が湧いてきている状態だと生きにくいですね。
不安によって行動が妨げられ、自分らしくいられなかったり、正常な判断が下せない。
健康状態にも影響し、うつの原因にも関係していると言われています。
健全な状態というのは、扁桃体が暴走せず、適切に危険を判断している時だと言えるでしょう。
脳の中には、調整してくれる存在がいます。
前頭前野という存在が、扁桃体の興奮を抑える働きを持っていることがわかっています。
前頭前野は、理性や論理的思考を司っています。
ここが活性化して元気な状態であれば、扁桃体と協調しあって、本来の適切な機能を取り戻していきます。
前頭前野と扁桃体がバランスよくお仕事してくれることで、健康度が高まっていきます。
ただし、前頭前野はストレスに弱いのです。
ストレスがかかった状態だと、機能が弱まり、扁桃体の興奮に歯止めをかけられなくなります。
そうなると扁桃体の暴走がはじまり、不安も恐怖もイライラもどんどん増幅してしまうんですね。
心理セラピーの効果を考える
不安や恐怖が沸き起こるメカニズムが整理できたところで、心理セラピーの効果を考えてみたいと思います。
扁桃体と前頭前野のバランス/感情と理性のバランスを整えていくことが心の健康度を高めるとお伝えしましたが、その調整に瞑想と言葉の力が効果的ではないかという研究が進められています。
脳のストレス反応を軽減し、肯定的な言葉やイメージを受け取っていくことによって、前頭前野が活性化し、扁桃体が冷静になれるのではないかと考えられています。
ヒプノセラピーは、暗示力、イメージ力を活用していきますし、瞑想と似たような状態(変性意識状態)を作りだしていきます。
副交感神経系を優位にし、リラックス状態を引き出す効果も高いことが分かっています。
また、私がセラピーに取り入れている、EFTやマトリックスリインプリンティングなどの感情解放セラピーも、変性意識状態になって進めていきますので、同様の効果が大いに期待できます。
参考図書
不安は悪いことじゃない 脳科学と人文学が教える「こころの処方箋」
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脳疲労が消える最高の休息法
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