子供の領域に立ち入って境界線を突破してくるのは毒親です

こんにちは!

今日は、前回の「境界線(バウンダリー)」記事の続きとして、「親の態度が、境界線の感覚に影響を与えている」ということについてお話ししていきます。

前回の記事
親切にしているのに人間関係がうまくいかない。そんな時に点検したい境界線(バウンダリー)

親が子供を支配的に扱うタイプの場合、子どもの領域は常に脅かされています。

支配的・過干渉・過保護。正当化されながら行われてしまう残念な子育て。

 

子供の頃、あなたの親御さんはこんな口癖を持っていませんでしたか?

「あなたのために言ってるのが分からないの?」

「お母さんの言うとおりしないんだったら、~してあげないわよ」(と脅す)

「自分を犠牲にして、あなたのためにやってあげているのに」

「誰がお金を出してやっていると思っているんだ」

「つべこべ言わずに従いなさい。親の言うとおりにしていたらいいのよ」

このような言葉を子どもによく投げかけていたとしたら、子どもに対して支配的だったり、過保護・過干渉の傾向があったはずです。

子どもを親の所有物のように捉え、自分の思い通りに扱っていいだろうと考えていると、態度は攻撃的になります。

子どもの意思を尊重せず、一方的なコミュニケーションを取ってくるでしょう。

肉体的に暴力を奮うことはなくとも、言葉や態度で攻撃することは立派な虐待です。

いわゆる「毒親」と呼ばれていますね。

心理的虐待は、無自覚で行われていることが多いため、親が自分で気が付かない限りは、ずっと同じ態度で子育てを続けることになってしまいます。

そのため、日常生活の中で、子どもの心はじわじわと傷を負っていくことになってしまいます。

境界線(バウンダリー)の側面から考えてみると

 

次に境界線(バウンダリー)の側面から親子関係を考えてみましょう。

本来、親と小さな子供の関係であってもこのようにお互いの領域が守られていることが健全ですね。

でも、支配的、過干渉の養育スタイルを持っている親は、心の境界線をやすやすと超えて、子どもの領域に踏み込んでしまいます。

 

日々の暮らしから、買い物、進路、恋愛、友人関係、あらゆる側面で干渉されたり、指示されたりする。

この状態が日常的に続くとしたら……

きっつくないですか?

 

・干渉されることが多く、自由に決められない。

・自分の希望は通らない。

・自分さえ黙っていれば収まるのだと、我慢することが多い。

そんな子供時代を過ごしていたとしたら、親が境界線を突破してくることで自分の領域が安全にキープできていなかったはず。

どんなに子ども自身が「自分の領域を保ちたい」と頑張っても、親が自分のしていることの不健全性に気が付かない限り、正当性を持って、どんどん立ち入ってきたでしょう。

しかも、子どもからしたら「我が家のスタイル」しか知らないまま育っているので、親の態度に問題があることに気が付きにくいはずです。

また、「親のことを批判したり、憎んだりすることはしたくない」という気持ちが働くため、むしろ自分自身に問題があるのではないか、と自己批判に陥りやすい傾向もあります。

このような状態で子供時代を過ごしていくと、どのような影響が出やすいでしょうか。

 

境界線超えをしてくる親に育てられたケースに出やすい影響

支配的で、日常的に境界線超えをしてくる親に育てられた人は、以下のような傾向を持っていることがあります。

自分も境界線があいまいになりやすい

親が持っている境界線の取り方にある意味、慣れてしまっているので、自他の境界線をきちんと引くことが難しくなっているかもしれません。

友人や職場での人間関係などにおいて、相手との距離感が分からなかったり、侵入されることを許してしまいがちではないでしょうか。

親が持っている距離感を受け継いでしまっている可能性もあります。

人との距離の取り方を点検し、改めて学んでいくことも大事になってきます。

 

自己理解、自己主張が弱い

長い間、自分の領域を保てずにいたことで、自分自身との繋がりが弱いケースが見受けられます。

”自分の意思や望みが分からなくなっている’’とか、’’自分の気持ちを外に出すことに対して苦手意識や抵抗感を持っている’’人が多いかもしれません。

自分についてどのくらい理解できているか、という点でいえば、たとえば以下の質問にすぐに答えることができますか?

  • どういう時に幸せを感じるのか
  • どういう時にイライラするのか
  • どんなことがストレスとなるのか
  • 何が自分の気分をあげてくれるのか

なかなか答えられないという人は自分のニーズにあまり気付けていないかもしれません。

自分の思いや考えを相手にきちんと伝えることができているか、という点でいえば、家族や友人、職場の人達とのやりとりで、ついつい本音を言わずに周囲に流されやすくなっているとか、断りたいのにYESと言ってしまうというようなことが多いのなら、注意信号です。
自分のことがよく分かっていないな、とか、自己主張することに抵抗感が強いなという方は、自分と深く繋がり、心の声を聞いていく練習から始められると良いと思います。

 

きちんと境界線を引けるようになると……

 

健全な境界線(バウンダリー)の感覚を身に着けることができると、自分のことがよく分かるようになりますし、自分の領域を守ることは決して悪いことではないんだと気付けるでしょう。

自分が何を望んでいるのか、どうしたいのか、その思いを素直に受け止め、大切にできるようになります。

自分の思いや感覚を大切にすることができるようになると、周囲とのコミュニケーションも変わるはずです。

自分の意思を伝えること(時にNoを言うことも含めて)に対して苦手意識が薄れていくと思います。

また、誰かの問題に振り回されたり、周囲の期待に応えようとプレッシャーを抱えることも軽減してくるはずです。

まとめ

今回は、「親の態度が、境界線の感覚に影響を与えている」ということについてお話ししました。

親の態度が支配的・過干渉・過保護だった場合、親が子どもの領域に侵入しやすく、境界線(バウンダリー)が育たないまま、大人になった可能性があります。

 

その場合、ずっと心の境界線があいまいなままで成長してきているので、大人になってからも自他との境界線を上手に引くことが難しくなっているかもしれません。

それによって対人関係を築くことが苦手だったり、トラブルを生みやすくなっている可能性もあります。

また、自分の意思や願望がよく分からないとか、自分の気持ちを外に出すことが苦手、といった状態になっている人も多いです。

まずは、今までの親子関係を振り返り、親が持っている境界線の感覚を知らず知らずに受け継いでいないだろうか、自分もあいまいな境界線でいないかどうかを点検してみましょう。

気付くことから、どんどん変わっていきます。

健全な境界線の感覚は、いくつからでも育てることができますよ。

 

今回のテーマ「境界線」に対する心理セラピーも行っています。
境界線の置き方は、幼少期からのパターンとなっていることが多く、潜在意識に書き込まれています。
深層心理から紐解いてみたい方は、以下からお問合せくださいね。

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