オオカミくん
そんな風に思っていらっしゃる方に、ヒプノセラピストとして活動して7年目のあなゆきがご説明します。ぜひ読み進めてください。
ヒプノセラピーは怪しくないのか?
ヒプノセラピーは、日本語でいうと催眠療法と言います。
催眠状態を利用して心の奥底(潜在意識)にアプローチしていく心理療法です。
「催眠術のこと? 怪しいなー!」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、ヒプノセラピーに対して誤解や偏見を持たれている人は一定数いて、今までにこんなコメントを聞いてきました。
- 占いみたいなもん?
- 意識がなくなって、ロボットのように操られるの?
- マジックショーみたいなやつですよね。ヘッドギアを付けて意識を操作されるんじゃ……?
- 宗教ですか?
ええっと、これらについてはのちほど、ひとつひとつお答えしますが、全部誤解です。笑
ヒプノセラピーは心理療法のひとつですので、ショーやイベントではなく、悩みや課題を解決することや自分をよく知るための手段であるということをまずご理解いただきたいと思います。
ヒプノセラピーは、「自分対自分」の対話
ヒプノセラピーの役割は何か、と言いますと。
私は「お悩みや問題に対して、ご自身で答えを見つけていくためのお手伝い」だと思ってご提供しています。
ヒプノセラピーは対話で進めていきますが、その対話はクライアントとセラピストで行っているようでいて、「自分(クライアント)対自分」なんですね。
ひたすら内なる声に向きあう時間です。
ベストな答えは、必ず自分は知っているはずなんです。
でも、本気で自分と向き合ってみないと、なかなか気が付けない。
自分のことって分かっているようで、結構分かっていないものなんじゃないでしょうか?
本当の気持ち、願望とか恐れているものに気が付くって、普通に生活していたら難しいんじゃないかと思います。
それは、約束やルール、義務などに縛られているので、意識が外側ばかりに向いていて、なかなか内観って出来ない環境にいるからです。
ヒプノセラピーは、健気に頑張っている自分を優しく見つめていく時間です。
どんな効果があるの?
ヒプノセラピーは潜在意識に直接アプローチするため、即効性が高いと言われています。
特にこのようなお悩みに効果を発揮します。
・不安、恐怖、悲しみ、喪失感、罪悪感、怒り、無気力などといったネガティブな感情の解放
・フラッシュバック
・トラウマの解放
・頭痛、腰痛、慢性疲労などの身体的症状の解消
・悪癖(爪をかむなど)、悪習(たばこ、飲酒、食べ物)
・落ち着き、集中力、自信を高める
・自己肯定感の高まり
どんな人が受けているの?
私のヒプノセラピーには、いろいろな方がいらしてくださっています。
大きく分類すると、
① 何か明確な悩みや解決したい問題がある人
② 哲学的な問いを持っている人
③ 好奇心を満たしたい人
でしょうか。
①の悩みや問題の種類はさまざまですが、人間関係や家庭の問題、キャリア、健康、悪習慣、依存症、トラウマなど、多岐にわたっています。
また、不妊も心のケアが大切ですので、妊娠したい方もお勧めです。
②の哲学的な問いというのは、「生まれてきた意味を知りたい」「起きた出来事をスピリチュアルな側面から紐解きたい」「人生の使命とは」といったものです。
③の好奇心というのは、「前世があるとしたらどんな人生だったんだろう」「潜在意識に繋がるってどういうこと?」「ハイヤーセルフと会ってみたい」というようなニーズです。
自分と向き合いたいという目的がベースにあるのなら、基本的にどのようなテーマでもお引き受けしています。
ただし、持病がある方は主治医の先生の許可をいただいてから、お受けいただいています。
どんな風に進められるの?
私が提供しているセラピーの流れをご紹介しますね。
ワークショップなどではグループ型でセラピーを提供する場合もありますが、基本的にはマンツーマンで行っています。
おおまかな流れは、事前相談→セラピータイム→振り返りタイムの3本立てで進んでいきます。
最初に、お茶などを召し上がっていただきながら、セラピーに向けて現在の状況や悩みや問題についてお聞きします。
このカウンセリングで思考の整理を行い、セラピーの方向性をご相談していきます。
そして、いよいよセラピータイム。
リクライニングチェアに座っていただいて、目を閉じていただきます。
会話形式で進んでいくのですが、自然といろいろなイメージが湧いてきたり、事前相談で考えていたこととはまた違う思いや感情が湧き上がってくることが多いのです。
それは、変性意識状態と言われる潜在意識にアクセスしている状態になっているので、普段は表に出てこない部分が湧き上がりやすくなっているためです。
催眠状態に入ることにより、潜在的に持っていた真の原因が分かったり、抑圧していた感情の解放が起こりやすいので、一般的に即効性が高いと言われています。
また、セラピー中は副交感神経優位になっているので、心身のリラクゼーション効果も期待できます。
セラピーは、クライアント主導で進められます。
クライアントさんの感じるもの、意思に従って進めていくことを大前提にしていますので、言いたくないことは口にすることはしなくて大丈夫。
セラピストが強引に導いたり、指導や評価をすることは一切ありません。
セラピー終了後は、一休みしながら、セラピーを振り返ります。
これも評価というものは一切なく、クライアントさんが導き出した答えが一番正しいものとして扱います。
催眠は心理療法の源泉。
ヒプノセラピーって新しい心理療法のように思われがちなんですが、実はその起源はとても古いのです。
古代エジプトにあった「眠りの寺院」では、僧侶が信者を眠りに誘導してから病気を治癒する暗示を与えていました。
このときの僧侶が用いた手順は、現在の催眠療法の手法と似ていると考えられています。
そこから、医師や心理学者によって脈々と研究され続けてきました。
主なポイントとしては
●催眠(Hypnotism)という言葉は、ギリシャ語の「hypnosヒプノス」(睡眠)から、1943年英国の外科医ジェームズ・ブレードによって考案されました。
●19世紀末には、心理学者の大御所のフロイトやユングも催眠に興味を持ち、最終的にそれぞれのオリジナルの手法を編み出しました。つまり催眠が基礎になっていたということです。
●第二次世界大戦と朝鮮戦争の時代に、催眠はふたたびペインコントロールと心の病を癒す手段として使われていきました。
●20世紀にはアメリカの精神科医ミルトン・エリクソンによってアメリカ臨床催眠学会が発足しました。
●1958年、米国医師会が療法としての催眠を承認しました。
●欧米では保険適用になっている国もあります。
このように歴史を紐解いていくと、心理療法の源泉となっており、伝統的な技法だということがお分かりいただけると思います。
現在、さまざまな心理療法が生まれていますが、催眠療法の技法や考え方は大いに影響を与えています。
ヒプノセラピー(催眠)は人類の歴史上もっとも古くから存在した自然なセラピーのひとつです。
参考文献: クライズナー博士のあなたにもできる催眠療法(VOICE社)
副作用はないの?
ヒプノセラピーは薬物や特殊な器具を使うわけでもなく、基本的に安全度の高い療法です。
ただ、終わった後に、脱力感や眠気を感じる人もいます。
このような症状を感じても、一時的なものです。
しっかり水分補給して、ゆっくり休息をとれば、翌朝にはすっきりとした目覚めを感じるはずです。
これは、はじめてヒプノセラピーを受けた時に起こりやすいようです。
慣れない意識状態の中で、集中力を駆使することで、疲労してしまうのではないかと考えられています。
瞑想やイメージングなどの経験がなく、日頃リラックスする習慣がない人に多いように思います。
ヒプノセラピーの予約を取る時は、その後の予定は詰め込まないようにしてください。
当日は、ゆっくりと過ごしていただくことをお勧めしています。
そのほか、もともとの健康状態によっては、ヒプノセラピーが適さない場合もあります。
持病を抱えている人、薬を継続的に飲んでいる人は、主治医の先生に相談されてから受けましょう。
誤解に対する答え
占いは、占い師がお客さんに対して見立てを出して、それに基づいてアドバイスをしますよね? でもセラピーは、相手の中に答があるという大前提に立っていますので、基本的にアドバイスや評価をしません。
セラピストは、テーマを一緒に探求していく伴走者みたいなものだとお考えください。
自己探求という旅を安全に効果的に進められるようにお手伝いする役割です。
わけがわからなくなって、セラピストの言いなりになるなんてことはありません。
言いたくないことは言う必要がないですし、やりたくないことはやらなくて大丈夫です。
途中でやめることもできるし、トイレに立つこともできます。
いつでも自分主体でいられることをお約束します。
あれは、あくまでもショーとして行っていますので、皆さんを楽しませる目的でやっていますよね。
心理療法として行うヒプノセラピーは、症状の改善や問題解決のために行っていくものですので、手法も進め方もまったく異なります。
特殊な器具は一切用いませんのでご安心ください。
宗教とは全く違う分野のため、どのような信仰を持っている方でも受けることができます。
ヒプノセラピーについて概要をお伝えしました。
私としては、怪しくなくてむしろごめんね、という感じなんですけど、どんな印象を持たれましたか?
怪しいかどうかは、それぞれの基準で判断していただければと思いますが、百閒はは一見にしかず。
興味がある人は、ぜひ一度、体験されるとよいと思います。
いきなり個人セッションを受けるのはハードルが高いという人は、体験会やグループセッションを探してみましょう。
マンツーマンで受ける方がより深い体験はできますが、どんなものかあたりをつけるという意味ではグループセッションもお勧めです。